一本目は『仕立て屋の恋』。
二本目は『髪結いの亭主』。
この二本を観た後では、なぜか恋や愛について考えてしまいます。
画面の中に流れる香りは官能的で美しい。
男と女がひとつの身体でないことがこんなに悲しくて切ない。
裏切られても、構わない、幸せだったよと言う男。
永遠に忘れないで、愛していたの、と身を投げた女。
どちらも不幸だ。
不幸だけど幸せそうに見えるのはなんでだろう?
それに何だか羨ましい。
愛の重さは見ることも計ることも確かめることも出来ない。
なのに、このパトリス・ルコント監督の作品に出てきた登場人物たちは愛の重さ、形、色、匂い…あらゆる愛の正体を見てる、…ような気がした。
目を凝らしているだけでは決して見えないそれを。
私は作品の中で、揺れる心の中で、少しだけそれに触れることが出来たような気がする。
濃くも甘くもないココアみたいな…
甘すぎる綺麗な黄金色をしたカクテルみたいな…
曖昧な、曖昧な感触。
もっと触れてみたい。
それにもっと触れてみたいという衝動。
隠しきれないそのクセのある感触を。
確かめてみたい。
まだ、まだあるんでしょ?
そことそこの境目には。
気持ち良くはない、だけど気持ち良いときもある、嫌じゃない、探してしまう、求めてしまう、一生わかるはずなんかない、その正体。
これからもずっと静かに見続けていきたい二本です。
このDVDを下さったファンの方、有難うございましたm(__)m
心の栄養を噛み砕いて飲み込み、少しずつ消化して血や肉や骨にしていきたいと思います(^_^)♪
そして、今日は私の週一の楽しみ『薔薇のない花屋』の日☆