事情がある。
浅く、または緩やかに。
とうとうと、
うとうとと、
いつの間にか流れ着く、小さく生意気な小石のような、大きな悲しい大木のような。
ときに、
馬鹿ばっかり…と頬杖をついて途方に暮れ、
ときには、
馬鹿ばっかり…と頬杖をついて優しさに涙を流す。
卑しさに、
脆さに、
真心に、
冷たい指先に、暖かい額と首筋に。
涙腺とまばたき。
血管と鼓動のその間に。
馬鹿ね、と呟く。
ソルティードッグ。
薄い、体液のような存在。
塩を舐めながら飲むそれは、窮屈で、ついつい頼んでしまう。
昼でも、夜でも曖昧色。
月の石みたい。
指先にひとかけらの塩と唇。
尖った心にグループフルーツ。
夢にも、事情がある。
いまひとつ、
いまひとつ、
計り知れない事情が。