柔らかく、
固まったのだろうか?
部屋に吹く冷たい風は
柔らかく、
鳴いているのだろうか?
少し傷ついた果実は
柔らかく、
傷口を舐めてもらえたのだろうか?
少しも優しくないそれは
柔らかく、
抱きしめてもらえたのだろうか?
あなたが、
あなたへ、
あなたに、
あなただけに、
あなただけに届けばいい。
他はどうでもいい。
柔らかく、
柔らかく、
笑ってもらえればそれでいい。
それ以外はどうでもいい。
水色の息が詰まるような時間に溺れても、
尽きることの無い、平たい道を真っ直ぐ歩くしかなくても。
あなたに、
あなただけに、
知ってもらいたい。
知ってもらいたい。
柔らかな、柔らかな
その笑った顔を。